アルパの管理について

 アルパはギターなどと同じように木材を材料にして作られています。木材は乾燥、気温の変化にとても敏感で、周りの環境が変わればそれなりに音質に影響を及ぼします。木材を使った楽器のベストコンディションは相対湿度約50%、気温は約23℃とされています。人間が心地よく感じるコンディションも同じくらいです。
 このデリケートな楽器“アルパ“を最適な状態に保つための注意点をいくつか挙げてみます。


 *湿度の変化に気をつける。
 
 木材にとって最大の敵であるといえます。
 木材は湿度が高ければ膨潤し、湿度が低くなれば収縮します。例えば湿気が多いときに急にエアコンなどの乾燥した空気を直接当てたりすれば木材自体が湿度の変化に対応できずに“割れ”が生じます。
周囲の環境が、人間が感じるようにある程度乾燥している状態であれば音質がよくなることもありますが、過度の乾燥は大敵です。逆に湿気が多いときには音質が曇ったようになり、またその状態が続けばペグなどの金属部分の腐食にもつながります。
 アルパの製作過程でも雨が続くようなときには炭をおこして材料に湿気が移らないように細心の注意を払っています。当然ですが熱気を直接当てることなどは絶対にしません。1台のアルパの製作は製作開始から完成までの間、湿度の変化を最小限に抑えるようにすることからも、湿度の変化がアルパを保管する上で重要なことだとおわかりいただけると思います。

 *温度の変化に気をつける。
 
 湿度と同じように温度の変化は材質、音質にも影響を与えます。
 冬場などに人の居るリビングでは夜は暖房をかけていますが寝るときには消します。暖房をかけているときと朝方の気温の差はかなりなものです。また夏の暑い季節には外気とクーラーの効いた部屋の中では10℃以上の差があります。
 これらの湿度の変化、温度の変化を防ぐためにはアルパを保管するときに最低限キャリングケースをかけるくらいの注意を払っていただきたいと思います。

 *直射日光を避ける。
 
 窓際にアルパを置かれている方は特にご注意ください。直射日光が当たれば当然乾燥し、温度も高くなってきます。できる限り直射日光は避けてください。

 *車の中に放置しない。
 
 それほど外気温が高くない時期でも締め切った車内ではかなり温度が上昇しています。

 *ペグの歯車部分は油を切らさない。
  
アルパの弦の張力を考慮するとペグの小さな歯車にかかる力は相当大きいはずです。歯車がスムーズに回らなければそれだけプラスチック(または金属)の部分にかかる負担も増し、破損の原因にもなります。
チューニングの際、歯車部分に常に1滴の潤滑油を忘れずに、余計な油はふき取ることを心がけてください。
 *その他としてアルパの共鳴板は高級なギターとほとんど同じ物を使用しているものが多く、練習頻度にもよりますが、1ヶ月に1度くらいの割合で楽器店で販売しているギターワックスなどでお手入れすることをお勧めいたします。

 長くなってしまいましたが、アルパの材質は生き物です。人間が心地よく感じるときにはアルパに取っても良いコンディションだということをお忘れなく!!